プロローグ


 少し例え話をしようか。

 初めに聞いておくけど、貴方は異次元や別世界だとか言う非現実的な存在を信じていたりするのかな。……ああ、ごめん。やっぱり答えないで。後でまた聞くことにするよ。

 今から僕が話すのはまあ、そんな世界観の中で起きた……ちょっとした物語なんだけどね。物語というより、正確には物語の中での日常の話かな。
 時間はそんなに取らせるつもりは無いから少しだけ、僕の話に付き合って欲しい。

 ……ありがとう。どうか最後まで聞いてくれると嬉しいな。
 一つの小さなお伽話を。

 ハート IN アンドロイド